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月は、毎晩どこかに泊まる。
星座よりも小さな、空の宿。
一日にひとつ、戸を開けては閉める。
今夜の宿の名が、その日の景色になる。
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二十七の、泊まり
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月は、空を一周するのに、およそ二十七日かかる。
だから、道を二十七に分ける。
一日にひとつ、月が泊まる場所。
十二の星座より、ずっと細かい。
星座が「季節」なら、宿は「その日の天気」。
インドでは、これをナクシャトラと呼ぶ。
星座よりも古い、月の道しるべ。
太陽の暦ではなく、月の暦のほうに属する数え方。
ひとつの宿は、13度20分。
月は、そこにおよそ一日、泊まる。
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名前について
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このサイトの日本語名は、訳語ではありません。
それぞれの宿には、古くから伝わる象徴があり、馬の頭。剃刀。とぐろを巻く蛇。寝台の脚。その象徴が見せる景色を、日本語で呼び直したものです。
たとえば、ハスタは「手の宿」。掌という象徴のまま。
アールドラーは「雫の宿」。涙のしずくという象徴のまま。
ウッタラ・アーシャーダーは「揺るがぬ宿」。
象の牙という象徴ではなく、そこに宿る「崩れない」という意味のほうを、
名前にしました。
呼び名は借りものではなく、景色は、借りています。
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宿の、読みかた
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宿は、吉凶ではない。
いい宿も、悪い宿も、ない。
雫の宿は、涙の宿であり、雨の宿。
乾いたものを、湿らせる日。
揺るがぬ宿は、動かない宿。
急げない日であり、崩れない日。
その日の景色が、どんな色をしているか。
それだけを、宿は教えてくれる。
同じ景色の中で、何をするかは、いつも、読む人が決めること。
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星座と、宿
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鎮静月カレンダーでは、二つを並べて記しています。
満月(牡牛座/駆けだしの宿)
前が、星座。月が今いる、大きな季節。
後ろが、宿。その夜、月が泊まる、小さな部屋。
星座だけでは、ひと月に十二とおり。
宿まで見ると、一日ずつ、景色が変わる。
なお、星座はトロピカル(季節の暦)、宿はサイデリアル(星の位置)で
記しています。
太陽の暦と、月の暦。二つのものさしを、そのまま並べています。
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ひとめぐり
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一番目は、駆けだしの宿。馬の頭、はじまりの宿。
二十七番目は、見送りの宿。送り出して、また先頭へ戻る。
終わりが、始まりの隣にある。
二十七の宿、ひとつずつの名前と景色は、別のページに置いている。
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生まれた夜の、宿
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毎晩の月に、宿があるように。
生まれた夜の月にも、ひとつ、泊まった宿がある。
それは、二度と同じにならない。
毎晩めぐる宿とはちがって、一生に、ひとつだけ。
生まれた日、月が泊まっていた宿から、
その人だけの時の流れが、静かに始まっている。
その流れに、季節を読むこころみを、別のページに置いています。
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今夜の月が、どこに泊まっているか。
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