ティティは、月と太陽の角度で数えるインドの暦の一日です。
なかでも十一番目のティティ「エーカーダシー」は、お米などの穀物をお休みして、静かに過ごす日として知られています。
十三番目のティティの夕暮れ「プラドーシャ」は、ひとつ手放す時間。
どちらもひと月に二回ずつ、満ちていく月と欠けていく月の側に巡ってきます。
この記事では、意味と過ごし方、そして2026年10月の日付を日本時間でまとめます。
ティティとは|月と太陽の角度で数える一日
新月のとき、月と太陽の角度の差は0度。満月で180度。
この差が12度ひらくごとに、ティティがひとつ進みます。360度を12度で割って、ひと月に30のティティ。
前半の15は満ちていく月の側、後半の15は欠けていく月の側です。
月の軌道は少し楕円のため、ティティの長さは約19時間から26時間まで変わります。月齢や時計の一日とは、少しずつずれていきます。
日付を決めるときは、その土地の日の出の時点で進んでいるティティを、その日のティティとするのが伝統的な数え方です。そのため、インドの暦と日本の日付が一日ずれることがあります。
十一番目(エーカーダシー)の過ごし方
エーカーダシーは「十一」という意味の言葉。インドでは断食の日として、今も広く守られています。
瞑想家の森井啓二氏は、この日を心が静まり、内側に入りやすい日として紹介しています。できれば断食をして瞑想に臨むのがよい、とも。
古い経典『パドマ・プラーナ』には、この日、罪の化身が穀物に宿るという一節があります。そこから、穀物を口にしない習わしが生まれました。
お休みするもの
- お米(いちばん大切にされる対象)
- 小麦、大麦、オーツ麦などの穀物と、その粉でできたパンや麺
- 伝統によっては、豆類も
口にしてよいとされるもの
- 果物、牛乳やヨーグルト、ナッツ
- じゃがいも、さつまいもなどの芋類
- そば粉(植物学上は穀物ではないため)
この日にやってみること
- 朝か夜に、いつもより少し長めの瞑想
- いつもの主食がない食卓で、空いた場所に何が浮かぶかを眺める
- 翌朝、最初のひと口をゆっくり味わう(インドでは、翌日の朝に断食を解く)
十三番目の夕暮れ(プラドーシャ)の過ごし方
十三番目のティティは「トラヨーダシー」。この日の夕暮れを「プラドーシャ」と呼びます。「闇の手前」という意味で、日の入りの前後およそ一時間半を指します。インドでは、シヴァ神に祈る時間です。
森井氏は、この時期を執着を手放し、深い静けさに入りやすい時として紹介しています。
この夕暮れにやってみること
- 日の入りの時刻を調べて、その前後に数分でも空を見る
- 小さな灯りをひとつともして、静かに座る
- 手放したいことをひとつだけ思い浮かべ、息と一緒に吐き出す
- 夕食は軽めに
日付は、日の入りの時点で十三番目のティティが進んでいる日を選ぶのが、伝統的な判定です。
2026年10月のエーカーダシーとプラドーシャ(日本時間)
| 日付 | ティティ | 月の側 | 期間(日本時間) |
|---|---|---|---|
| 10月6日(火) | 十一番目(エーカーダシー) | 欠けていく | 6日 05:38 〜 7日 04:05 |
| 10月8日(木)夕方 | 十三番目の夕暮れ(プラドーシャ) | 欠けていく | 8日 02:47 〜 9日 01:46 |
| 10月22日(木) | 十一番目(エーカーダシー) | 満ちていく | 21日 17:42 〜 22日 18:18 |
| 10月23日(金)夕方 | 十三番目の夕暮れ(プラドーシャ) | 満ちていく | 23日 18:06 〜 24日 17:07 |
10月23日は十三夜。この宵の18時6分から十三番目のティティが始まります。日の入りの時点で判定する伝統的な暦では、翌24日(土)の夕暮れになります。
計算は東京の日の出・日の入りを基準にしています。毎月の日付は、鎮静月カレンダー「月のリズム」に載せていきます。
はじめる前に
水も断つ完全な断食から、穀物だけを抜く形まで、やり方には幅があります。
はじめてなら、お米などの穀物だけをお休みする形からがおすすめです。
インドの伝統でも、幼い子どもや高齢の人は穀物断ちの対象外とされてきました。持病のある人、妊娠中の人、薬を飲んでいる人は、事前に医師に相談を。
よくある質問
エーカーダシーは年に何回ありますか?
満ちていく月と欠けていく月の側に一回ずつ、年に24回。閏月のある年は26回です。
ティティと月齢の違いは?
月齢は新月からの経過日数。ティティは月と太陽の角度の差で数えるため、長さが日ごとに変わり、月齢とは少しずつずれます。
なぜお米が特に避けられるのですか?
罪の化身が穀物に宿るという伝承のほか、月が体内の水に影響し、水分を多く含む米がその影響を受けやすいという説明もあります。いつも食べている主食だからこそ、一日だけ間を置くという意味合いもあります。
インドのサイトと日付が違うのはなぜ?
日の出の時刻が土地ごとに違うためです。この記事の日付は、東京を基準に計算しています。
出典と、もうひとつの読みもの
この記事は、森井啓二氏の公式チャンネルの動画で語られた月とティティの話をきっかけに、伝統的な資料と合わせてまとめたものです。
- 森井啓二|誰も知らない「月の神秘」
- 『パドマ・プラーナ』(エーカーダシーと穀物についての一節)
月の呼吸としてのティティを、詩のかたちで綴った読みものはこちら。
→ ティティ|月と太陽の、三十の一日(詩的版へのリンクを入れる)
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